たろちんの感情の奴隷ブログ

やむを得ず社畜と化したたろちんが、お金にならない文章を思いついたときにだけ更新されるプレミアブログです。

世の中のことわからない僕が「人はいつか死ぬ」ということはちょっとわかったつもりで生きてる話

「盛り下がってるかーい?」というロックスターのゴキゲンナナメな煽りが聞こえてきそうな昨今、人類の皆様いかがお過ごしでしょうか。小市民です。ライブハウス自宅よりキイチビール&ザ・ホーリーティッツの「世の中のことわからない」をお届けします。マジわかんねえよな、世の中。



まあ2020年5月現在のめちゃくちゃをあの名前も呼びたくねえウイルスが引き起こしてることは間違いのねえことでござあすが、もう嫌になりますわね。病気が、ってんじゃあない。いやそらあ病気も怖ぇけどそれより俺ぁ世の中が怖ぇ。ってあんまり怖いので落語調じゃないと言えなくなるくらい怖いわけ。

僕はもとより落伍者のほうやらしてもらってたんで自粛で家にいろー、なんてのは望むところ、むしろ「夢が叶いました」と歓喜の涙を流しながら毎日元気に1日50歩しか歩かず焼酎を飲み倒しています。なんなら自分みたいなもんは日に1、2本の輪ゴムかなんかを食べさせてもらえれば十分なのですが最近はウーバーイーツなる適度にフリーな奴隷にメシを運ばせるサービスなどもあるらしく、それを使うと自粛しながら人間の食い物が食えたりします。毎回配達員の方を抱きしめて感謝の濃厚接触をしたい気持ちに駆られますが、そのほうが叱られるらしいのでしていません。「ソーシャルディスタンス!」と言ってバックステップをするとお互いの絆ゲージが上がるという仕様のアプデが入ったらしいです、世の中。

素晴らしいことだと思います。なんかマスクとか10万円とかも生きてるだけでくれるらしいし。がんばって生きてるといいことあるなーって思います。

まあ素晴らしい云々っていうのは嘘なんですけど、それだけ皆で絆ゲージをガン上げしてるのになんか世の中を見てるとむちゃくちゃ喧嘩してるというか、高めたゲージを解放して各人がオリジナルのバチギレ超必殺技を撃ち合う大乱闘スマッシュブラザーズ状態になっているように見えます。多分幻覚なんですけどちょっと怖いなと思うことがあります。

僕は「毎日焼酎をキメないと死ぬ」というある意味でウイルスより怖い難病を患っているのでそういう幻覚を見てしまうんですが、そもそもその難病を患ったきっかけというのが「人はいつか死ぬ」という事実に気付いた時からだったような気がします。

10代くらいのころはそらあ僕も可能性の獣です。法律に「人はいつか死ぬ」という条文が書いてあっても「嘘乙」とつぶやいて冷めたツラして歩いていました。だけど成長して物事の分別がついてくると「人ってもしかしてマジでいつか死ぬんじゃね……?」ということに気付き始め、そうすると自分の根っこであった「まあまだ死なんやろ」という絶対の自信が崩壊しそのあとはもうめちゃくちゃです。何十日か前に色々な意味で死んでしまったワニよろしく「5秒後に死んだらどうしよ……」という考えが四六時中頭を離れなくなり、正気を失った私はその症状の特効薬と噂されていた焼酎(最近はアビガンとかいう同様の効果を得られるものも出ているようです)にたちまち手を染め、今では副作用により日常的に幻覚を見るようになりました。

「人はいつか死ぬ」という恐怖で自我が崩壊するのは僕調べによると不治の病らしく、発症当初の僕も色々捨て鉢になってロックを聴きまくったり急に「ラブ&ピース」と叫んで人に抱き着いたりインターネットで喋りながらゲームをしたりして健康な皆さんにご迷惑をおかけしましたが、最近は病気との付き合い方も少しわかってきて時々小康を得られるようにはなりました。「人はいつか死ぬ病」というのは現代医学でもまだ解決の目途が立っていない最強の難病らしいのですが、わりと無症状なだけで全人類が罹患している病気らしいです。「みんな同じなんだな」と思うと少し落ち着けます。筆者は既にだいぶ症状が進行しているので焼酎だけは欠かさないように細心の注意を払っていますが。

エビデンスのない素人考えで恐縮なのですが最近流行りのあの名前も呼びたくねえウイルスは、どうも副作用としてこの「人はいつか死ぬ病」を併発させる可能性があるんでねえかなと思っています。こっちの病気は身体的な症状はなくただちに影響もないんですが、メンタル面でやや人と人の関係をギスギスさせる効果が確認されています。ここは元から楽しい地獄だと星野源も言っていたので大勢に影響はないかと存じますが、絆ゲージを上げないといけない現状においては決して無視できない部分かと思いますので、人類の皆様はどうぞご自愛ください。

余談ですが本日お届けしたナンバー「世の中のことわからない」は、「会い足りないけど会えない」みたいなごく普通のことを言ってる歌なのに急に「世の中のことわからない」と言い出して「だけども君のそばにいたいよ」と続く変ちくりんなラブソングです。人間が歪に人間を愛する感情みたいなやつがソーシャルディスタンスを飛び越えて広く伝染してくれたらいいのになと思いました。隔離病棟自宅からは以上です。