たろちんの感情の奴隷ブログ

やむを得ず社畜と化したたろちんが、お金にならない文章を思いついたときにだけ更新されるプレミアブログです。

ペルソナ5がこの夏のすべてだった

傑作と評判のJRPGペルソナ5」をクリアしました。仕事終わりと休日のほとんどをこのゲームに捧げ、総プレイ時間は約150時間。まあそのうち30時間くらいはゲームつけっぱなしでカレー食ったり野球見たりしてましたが、ほぼこの夏のすべてをぶち込んだと言っていいでしょう。


普通は100時間くらいで終わるらしい

W杯が終わって完全に無気力になったタイミングで始めたこのゲームは、廃人化した自分をちゃんと夢中にしてくれる僕にとっての「心の怪盗団」でした。終わっちゃってまたやることなくなったのでとりあえずこの文章を書いています。

致命的なネタバレにならない範囲で言うと、ペルソナ5は人の心の世界に入り込んで悪人を改心させる力を得た高校生たちが「心の怪盗団」となってなんやかんやする話です。現実世界では勉強やバイトをしてモテるスキルを磨き、同居する妖怪寝かせ猫の「今日はもう寝ようぜ」攻撃を回避しながら出会う女全員を見境なく口説いて「よし!」とガッツポーズをする青春恋愛バトルシミュレーションゲームです。僕はペルソナシリーズ初プレイでしたが、どれも大体こういうゲームらしいです。違うのでちゃんとしたことはwikiなどを見てください。

現実の東京を舞台にした街並みは楽しく、音楽もUIもオシャレでさすがアトラスさんだなと思いました。急にペルソナが覚醒する中二っぽい展開も演出のよさで押し通してます。プロの仕事を感じました。マジで。

シナリオは賛否両論あるようですが、OPから後半頭にかけてはめっちゃ楽しかったです。「怪盗団」という悪そうなやつが善人で、世間で上っ面だけいい顔してるやつが実は悪人、っていうのはわかりやすい構図で痛快です。「本当の正義とはなんなのか」みたいなテーマをもっと哲学レベルで深掘りできたら神ゲー確定だったと思うんですが、そもそも現実ですら誰も解決できてないそういうことをペルソナ5が解決するのはそれこそ無理ゲーだし、ゲームのシナリオとしてまとめなきゃいけない制約の中では頑張ってバランス取ってると思います。むしろ問題提起してるだけで意欲的だと思いました。(僕はまどマギ見て「キュゥべえは終始正論を言ってる」って駄々こねる偏屈なので無視してください)

ペルソナっていうのはもう1人の自分なので基本敵に1人1つしかないんですが、主人公だけ複数のペルソナを扱える「ワイルド」という能力を持っています。この能力を駆使して主人公はさまざまな敵(シャドウ)を言いくるめて仲間として戦わせた挙句ぶっ殺してアイテムにしたり、担任の女教師を口説いて彼女にした挙句電話で呼びつけてカレーを作らせてる間に自分は別の女を口説きに行けたりします。やってることが無茶苦茶すぎてすごい笑いました。「悪人を改心させる」とか言ってるけど明らかに一番の悪人は自分だな、とプレイしながら終始ツッコミを入れて楽しめます。だってそうしたほうが効率いいんだもん!(プレイには個人差があります)

怪盗団のメンバーはみんな居場所を失って「理不尽と戦う」という意思を持っています。そのへんが僕はグッとくるポイントだったんですが、シナリオの要請でところどころちぐはぐなこと言ってたり、切羽詰まった状況なんだけどプレイヤー的な視点で見るとどうしても釣りがしたかったりして、そのへんのメタ的な視点を絡めるとより深みを感じられて面白かったです。人生って理不尽なことばかりだしそういう世界の中で自分も理不尽なことさんざんやって生きてるよな、と。

キレのある直球が売りなんだけどとんでもない暴投もする。でも逆球が最高のコースでストライク入っちゃったりもする。そんな感じで僕が夏を棒に振って悔いのない、非常に満足度の高いゲームでした。