たろちんの感情の奴隷ブログ

やむを得ず社畜と化したたろちんが、お金にならない文章を思いついたときにだけ更新されるプレミアブログです。

【ネタバレ】「ドラゴンクエスト んほぉ~このユアストーリーたまんねえ~」とかいう映画に少しビンタをする

大好評ボコされ中の映画「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」を観てきました。ネタバレ感想などガンガン見てから行ったけど、まあみんなが殴っている理由は体感できた。

僕は「総監督・脚本:山崎貴」という字面の印象だけで「どうせくっさいアレな感じになるんだろうな」と決めつけており、その意味ではターン開始時からぼうぎょしていたのでダメージは少なかったのですが、一応ドラクエ5大好きマンとして生きてきたので少しビンタさせていただきます。

簡潔にこの映画が怒られてる点を言うと、

映画スタッフ「このドラクエ5も形になってきたな」
監督「んほぉ~このユア・ストーリーたまんねえ~」

で最後にぶち壊したからだと思います(なおアイデアが最初にあったもよう)。ただ結構人によって怒りポイントが違ったりして面白いので、僕の怒りポイントも言語化しておこうと思いました。なぜならそれが僕の「ユア・ストーリー」だから……。


まず結末を除く全体としては僕はまあまあアリでした。というか山崎監督の苦手なところって「ドラ泣き」をはじめとするケレンミ100%ジュースを営業スマイル全開で提供してくるところで、僕は「大衆をナメてるなあ」と思ってしまうので苦手なのです。タイトルだけで避けることが多いのでほぼイメージで語ってますが、これが俺のストーリーなのでご容赦ください。

大衆をナメてる、というのはある意味ビジネスとしては正しい部分もあると思います。60点くらいの映画のほうが変に意識高い映画より興行収入よかったりすることだってあるし。だからこのドラクエもその辺は結構よくできてたとは思う。先に褒めよう。

最初の「スーファミ映像でダイジェスト」という導入はよかったです。ファン向け、という観点において懐かしくて嬉しかった。CGに切り替わってからも「ああ、こういう感じね」って受け入れれば思ったより悪くなかったです。ファン以外置き去りなのも別にそういうもんだと割り切ればいける。最初から60点のつもりで観に来てるので。

細かい指摘はいろんな人のそいつストーリーで語られてるのではしょりますが、あの長い話を映画として2時間弱で再構成したところはさすが60点の映画量産ニキだな、と素直に射精しました。ピックアップするポイントもよかったと思う。魔物使い要素を活かしつつブオーンという印象的な魔物の見せ場と合わせるとか上手な圧縮の仕方だと思います。構成としては。

唯一ほんとにいいなと思ったのは結婚相手の選び方のくだりでした。フローラ推しから入ってビアンカのよさ見せてやっぱビアンカって神だわ、にさせる流れ。今作のビアンカは非常にいいスケでした。ビアンカ派的にオッケーです。

一応褒めたのであとはビンタしますが、みんなストーリーが殴ってるように細かいとこで「こいつドラクエ愛全然ねえだろ」って演出が多いのは俺ストーリー的にもむかつきました。序曲のバーゲンセール、「死にたくなければ従え」という威圧モンスター勧誘、謎用語「クエスト」連呼、ヘンリーへの謎敬語、あたりが僕は苦手でした。

ただ「所詮ビジネスで作られた映画だしな」と思えばそのへんも60点として許容はできます。急に親子かめはめ波してゲマ倒すあたりも60点映画として見ればむしろ80点です(実質48点)。問題はやっぱその後のんほぉ~よ。

「色々アレだけど僕はドラクエ好きだし60点の映画として受け入れよう」って必死に我慢してきたら、監督が「俺、思いついちゃったんすけど……“斬新”なユア・ストーリー見せちゃっていいすか?」と言ってくるわけです。

「実は全部ゲームだったってオチでしたー。ほら、ユア・ストーリー!」っていうこすられ倒したオチ。なまじ「この辺はまあ映画だしアリかな……」とか良い点を探して観てた分、僕は「こんなゲームファンも映画ファンも敵に回すオチあるか?」と思いました。

「これゲームだぞ。大人になれよ」って表現はいいんですよ。攻めたかったんだなと。問題はその攻め方が雑すぎて映画的必然性も必要性もなんもなく、ただ「最後ちょっと攻めたかった」というだけで入れられてるのに引きました。

ドラクエが好きだからクソ映画でも愛でカバーして観てんのに、クソみたいなメタ展開で映画としても台無しにしてどうすんだと。そんで思い出したみたいに「僕も勇者だったんだなあ。おわり」って、映画ファン舐めてんのかと。デッドプール100回見直してくれ。

なんか無難にエンドロールの最後に「特別出演 PLAYER(YOU)」みたいなの入れるとか、普通にゲマとかミルドラース倒してハッピーエンドの後そっと電源を切って笑顔の主人公出すとかで全然ユアストーリー感は出せたじゃん、と思う。それでこっちは「ビアンカかわいかったからまあええわ」って帰れるのに。何を監督がんほっとんねんと。「ルーラで天井に頭ぶつける」みたいなあるあるネタの2、3個放り込んどけばもうちょっと満足度も上がるのになんでそれができんのじゃと。

まあ普通に無難なドラクエ映画でノスタルジーに浸りたかったのに全方位的な需要をぶち壊してきたので、たくさんの人が怒るのはわかるなあと思いました。あんまみんなが怒ってるものに便乗して叩くのは下品だと思って生きているのですが、「ユアストーリーだからええんやで」というメッセージを受け取ったので少しビンタさせていただきました。

僕はやっぱドラクエ5好きだなあということをあらためて認識できたので、そういう意味では僕のストーリーを見せてくれた映画でした。殴り書いたので気が向いたら後で直すかもしれません。大人なので寝ます。