たろちんの感情の奴隷ブログ

やむを得ず社畜と化したたろちんが、お金にならない文章を思いついたときにだけ更新されるプレミアブログです。

嘘つきバービー「バビブベ以外人間」の謎歌詞を分析したい

嘘つきバービーっていう何年か前に解散しちゃった3ピースバンドがちょっと好きでした。結構変なバンドでゆらゆら帝国とかと比較されることが多かったバンドだと思うんだけど、そのバンドの「バビブベ以外人間」っていう曲が好きで、その歌詞がまたイカれてて好きだったんです。

音楽でグッと好きになるとき、僕の場合はかなり歌詞が大事になる人間なので「俺はなんでこの歌詞が好きなんだろう」って当時からずっと考えてたんですけど、僕と同じようなどこかの誰かのために僕が分析したことを書き残しておきます。数年前に書こうと思ってなんかやめちゃったんですけど、今さらやっぱ書いておけばよかったって思ったので。ほぼ主観なのでノークレームノーリターンでお願いしたいですが、曲はかっこいいのでぜひ聴いてみてください。



前提としてこの曲は「愛と性欲」について書いた歌だと思う。わけわからんPVもそう見るとちょっと読み解ける気がします。登場人物は「僕」「中学生」「ボボ子(バビブベ以外人間)」の3人。中学生と大人の境目にあるような愛と性欲のバランスを歌ってるように読みました。
お願い事するたび アーメンの人から犬にされていく
超能力とかそういう力ではなく セロテープ はる
「犬」っていうのが動物的な性欲の象徴だと思う。「お願い事が終わった人=大人」はセックスとかを当たり前にするようになると。セロテープっていうのが難しいけど、「セロテープ=透明=裸」って感じでセックスアピールが直接的になることを言ってるのかなあと。ここあんま自信ない。
朝育つわん まばたきすればてろてろとズボンの裾から
流れる 熱っぽい大量の脳 すべる犬っぽい問題の脳
ミーがあげるわん アメリカ人にもらったでかい方の風邪薬も
効かん 色っぽくしたたる脳 ずれる美術 バビブベ以外人間
朝育つのは朝勃ち。ズボンの裾から熱っぽくて犬っぽい問題の脳が流れるのはシンプルに「夢精」みたいなことでいいと思う。要するに中学生が性に目覚めて「なにこの感情、風邪薬も効かないんだけど~」って困惑してるってことかなと。
何かに巻かれるタイプの人間じゃないのに
足の先までがセロテープまみれ
こんなロマンチックな状況で僕は ボボ子に会いたいよ
さっきの「セロテープ=裸」理論でいくと、「俺、女の裸なんか興味なかったはずなのにそればっか考えちゃってどうしよう」って感じになる。自分の犬っぽい感情に戸惑って「ボボ子(バビブベ以外=人間)に会いたい」ってなってる。このへんは2番と対比になってます。
脳は育つは メーカーさんが頷いただけの粘着力で
右 犬っぽい半分の目 左 人っぽい半分の目だは
左右の目がそのまんま性欲と愛の狭間で揺れる中学生。大人の階段を上ることを「メーカーさんが頷いただけの粘着力」ってシニカルに表現してるのがかっこいい(と僕は思ってる)。
わり算のできない中学生たちが、さっきからちらちら視界に入る
彼らはこのロマンチックな姿には何の興味もない、
ただ手に持ったアイスを舐め続けるだけの人間。
わり算っていうのは「割り切った関係」のことかなと。大人になりつつある中学生が周り見て「あいつらまだ女とか興味ないんだな」っていうのが気になってる。わり算って小学生で習うやつだし。深読みすると「アイスを舐める」もおにんにん舐め舐め的なことに読めるし、それを「人間」ってちゃんと言ってるのもいい。ここだけ句読点入ってるのも意味深。
しかし僕も中学生と同じです
全身テカテカの輝きをほどこす
これじゃ駄目だ 犬にならなくちゃ ボボ子以外全部に会いたいよ
ここで「僕」が出てくる(ということだと思う)。セックスに消極的な大人の「僕」がもっと「犬」にならなくちゃ駄目だと思うから「ボボ子以外=犬=性に積極的な女性」に会いたいよと言ってる。別に人間でいいじゃん、自信持ちなよ、って感じだけどそれは次につながる。
僕はただ単純に愛が足りない 犬が欲しい
僕はただ純粋に愛をセリフで吐き出したい人間
愛が足りなくて寂しいから「犬」が欲しいんだけど、僕は「人間」だから言葉で伝える「愛」を持っていたいっていう悩みがあることがわかる。単純さと純粋さの狭間で揺れてる。この歌がそういう「僕」の葛藤を歌っているんだということがここで明かされて「なるほどー!」ってなる。
簡単に僕の環境を変えれる人は出てきてね
そんで、そんな複雑な心理を「簡単に変えれる人がいるなら出てきてね」って放り投げて終わる。ここですごい「わかるー!」ってなる。僕も簡単に僕の環境を変えれる人に出てきてほしくて「ゲイツに6億円もらいたい」とか言って生きてきたので。つまり出てこねえんだよそんなやつは!(ここで最初に戻ると一生この曲を楽しめます)

この曲は最初に聴いたときにやたらガツンときて、なぜかあんま他の人の分析とか読まずに1人で悶々と考えてたんだけど、今ググってみたら「バビブベ以外人間」っていうのは嘘つきバービーの前身バンド名で、この歌を書いた岩下優介(Vo./Ba.)の元愛犬の名前が「バービー」だったらしい。バービーと一緒にバンドをやってきたけど愛犬が死んじゃったから「嘘つきバービー」に改名したってことなのかな(未確認です)。


岩下さんはヘンテコだけど鋭いフレーズの歌詞をいろいろ書いてて、イロモノ視されることも多いけど言ってることはそこまでヘンテコじゃないはず、と思ってたのでこれを書きました。まあヘンテコ風に書いてる時点でヘンテコ人間じゃねえかというのはわかる。今は「ニガミ17才」というバンドをやってるみたいなのでそっちもいずれ聴いてみたいと思います。


ねこがにゃんする歌「ねこ子」もよいです